「こんな玉露の話しを作ってみたのだが、一度読んでもらえないか?」とドイツ人のラルフ・ファーバーさんからメールをいただいたのが、2008年秋のことでした。
夜、誰もいない会社の事務所で、ストーリーを読んだ時に、「これは面白い!」と共感したのが始まりでした。あの夜の興奮は今でも覚えています。 このストーリー、そして玉露の製法の面白さを「世界中の人に知ってほしい!」ではどうしたら良いだろうか?と思い付いたのが、イラストを描いてもらえば伝わるのではないかと、夜遅くにファーバーさんに電話をし、ファーバーさんもそんな思いがあり、ここからこの企画が始まりました。 
 
イラストをただ単に描いてもらうだけではなく、このストーリーの思い、そして何より玉露の面白さ・美味しさにも共感してくれる漫画家さんに描いてほしいと考えました。
そこで以前、お茶のことを話したことのある、漫画家・茶谷明茂さんにストーリーを見ていただきました。
私と同じくこのストーリーに共感してくださり、「ぜひやりましょう!」となったのです。

以下にも茶谷さんの紹介を掲載していますが、茶谷さんが東京コンテンツマーケット2009に出品された『戦国驍刃デュラハン』が、審査員特別賞を受賞されるなど、今後活躍がますます期待される作家さんです。時間に追われる茶谷さんに、2009年の新茶時期までにできますか?と問い掛けをしたのですが、スケジュール的に難しいとの返答。ではじっくり時間を掛け、より良いものを作ろうと、完成の時期を2010年の新茶時期に設定しました。

その後、茶谷さんにも玉露のことをより深く知っていただく必要があり、弊社近くの玉露作り名人・山下壽一さんが管理されている茶園へ、何度も何度も足を運んでいただき、イラストのイメージを脹らましていただきました。これは新茶時期の茶畑と、秋の茶畑の風景があまりにも異なるからです。

山下壽一氏の玉露について

イラストのイメージとして、小さな子供が見てもあたたかみのある絵を描いて欲しいと、こちらからお願いし、イラストの描き直しも、1度や2度ではなく、何度もしていただきました。今から思うと、失礼なことも申し上げたと思います。完成したイラストを見ると、誰もが気に入るあたたかみのあるイラストに仕上がったと、とても気に入っています。

ストーリーについては、当初、ファーバーさんが考えたお茶の木からの目線ではなく、子供の目線から見たお茶の木のアイデァは茶谷さんからのものでした。
この方がより伝わりやすいと思い、ファーバーさんの了承を得て、そのようにさせていただきました。

このストーリーを通じて、世界中のみなさまに、日本には素晴らしい「玉露」というお茶があるんだぞと知っていただける機会になればと考えています。
最後になりましたが、いつも美味しいお茶作りをされている茶農家の皆様に感謝を込めて、この言葉で締めさせていただきます。


「これからもおいしい玉露(お茶)を作ってね」
 
2010年5月吉日
舞妓の茶本舗
中坊敏也
イラスト作成:
茶谷 明茂(ちゃたに あきしげ)

1976年2月 大阪生まれ
コミッククリエイター
RA-SEN Visualnovel-Creators
クリエイティブディレクター 商業活動以外でも、漫画作家、イラストレーター仲間と共にコラボレーション作品(漫画・絵本など)を製作。
自分のパフォーマンスを拡げる活動を続ける。ユニットの中で多様な企画を思案、構築している。 

『戦国驍刃デュラハン』
東京コンテンツマーケット2009 審査員特別賞受賞
原案作成:
Dr.Ralph Faerber(ラルフ・ファーバー)
(舞妓の茶本舗 International Sales Advisor)

1957年12月 ドイツ・デュッセルドルフ生まれ

舞妓の茶本舗の海外部門を担当。
ホームページの英語・ドイツ語サイトのお客様のサポートを中心に、日本の文化である日本茶を世界に広げようと、私ども舞妓の茶本舗のお手伝いをお願いしています。

 Maiko Tea(舞妓の茶本舗 英語サイト) 
 Maiko Tee(舞妓の茶本舗 ドイツ語サイト) 
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